Fidelity 和訳 – Regina Spektor


Regina Spektor の Fidelity の歌詞を和訳します。

アルバム "Begin To Hope"のリリースから10年ということで、記念和訳!
Ben Folds の「You don't know me」で知り、CD買って聞いてみて、印象的なピッチカートの音色とReginaさんの声の響きの良さにノックアウトされたのを覚えています。本当にいいですよね、この曲も。

2020/06/03 追記:PC版で対訳形式で表示できるようにしました。


I never loved nobody fully
Always one foot on the ground
And by protecting my heart truly
I got lost in the sounds
I hear in my mind
All of these voices
I hear in my mind
All of these words
I hear in mind
All this music
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
Well, it breaks my heart

誰かをすっかり愛するなんてことはなかった
いつも片足は地に着いていたわ
自分の心を誠実に守ることで
音楽に没頭していたの
このすべての声たちを
心で聴くの
このすべての言葉たちを
心で聴くの
この曲のすべてを
心で聴くの
するとそれは私の心を打ち砕く
そう、それは私の心を打ち砕くの

Sponsored Link

Suppose I never ever met you
Suppose we never fell in love
Suppose I never ever let you
Kiss me so sweet and so soft
Suppose I never ever saw you
Suppose you never ever called
Suppose I kept on singing love songs
Just to break my own fall
Just to break my fall
Just to break my fall
Just to break my fall
Break my fall
Break my fall

もう二度とあなたに会えないとしたら
私たちが恋に落ちていなかったとしたら
もう二度とあなたに
甘くて優しいキスをしてもらえないとしたら
もう二度とあなたを見られないとしたら
もう二度とあなたが電話してくれないとしたら
私が恋の歌を歌い続けて
自分の傷心を和らげようとしていたら
自分の傷心を和らげるため
私の傷心を和らげて

All my friends say
That of course it's
Gonna get better
Gonna get better
Better
Better
Better
Better
Better
Better
Better

私の友達はみんな
こう言うの
きっとよくなっていくわって
よくなっていくって…

Sponsored Link

I never loved nobody fully
Always one foot on the ground
And by protecting my heart truly
I got lost in the sounds
I hear in my mind
All of these voices
I hear in my mind
All of these words
I hear in mind
All this music
And it breaks my heart
And it breaks my heart
I hear in my mind
All of these voices
I hear in my mind
All of these words
I hear in my mind
All of this music
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
Breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart
And it breaks my heart

誰かをすっかり愛するなんてことはなかった
いつも片足は地に着いていた
自分の心を誠実に守ることで
音楽に没頭していたの
このすべての声たちを
心で聴くの
このすべての言葉たちを
心で聴くの
この曲のすべてを
心で聴くの
するとそれは私の心を打ち砕く
するとそれは私の心を打ち砕くの
このすべての声たちを
心で聴くの
このすべての言葉たちを
心で聴くの
この曲のすべてを
心で聴くの
するとそれは私の心を打ち砕く
するとそれは私の心を打ち砕くの


気づいたこととか。

  • Reginaさんの曲にしては、シンプルでわかりやすい内容かもしれません。ミュージックビデオを見ながら、理解を深めたいと思います。
    • 第1連(I never loved ...)。どうやらReginaさんが主人公で、モノトーンの部屋でブランコを漕いでいるようです。が、すぐに回想シーンのような場面になります。
      • 主人公が椅子に座ってお茶を用意しているようですが、対面の席が空いています。カップは2組あるのに。
      • また、カップの中身も空で、飲み干した様子でもありません。主人公は決して手にしません。
      • 対面の席に話しかけているのか、独り言なのかはっきりしません。
      • ところどころ、悲しげな顔をして電話代の横に立つ主人公が映ります。
    • 第2連(Suppose ever ...)。ドラムスの音に変化があり、鈴に替わってスネアが打たれるようになります。ハイハットも大きくなり、どうやら明るく場面転換したようです。
      • カップにコーヒーが入っています。(ティーポットが置いてあると思ったのに。)
      • 主人公の対面が空席ではなくなりました。なんと座っている男は透明人間(マネキン?)で、頭や手足が見えません。
      • しかし話しかける主人公は楽しそうで、表情が生き生きしています。
      • 電話を取る主人公。相手はあのマネキンで、別の場所にいるようです。
      • 電話口を抑えると、別の場面がフラッシュバックします。
        • ピアノを弾く主人公の横に、マネキンが立っています。服装が違うようで、過去の情景でしょうか。先のマネキンとは別人の可能性も?
      • マネキンと二人の写真を撮ったようですが、主人公が手にする写真立てには、枠しかありません。
      • 主人公は透明な写真を見て一瞬にこりとしますが、すぐに浮かない表情に変わってしまいます。
    • 第3連(All my friends say ...)、ブランコの上で独り言であったり、写真を手にマネキンに話しかけたりしているようです。
    • 第4連(I never loved ...)、なんとマネキンにプロポーズされています。
      • ですが、主人公は向き合っておらず、ほとんど後ろを向いています。
      • ハートのネックレスを首元から取ると、写真の場面、コーヒーの場面などがフラッシュバックします。ある種の覚悟ですかね。
      • 振り返って、手にしたハートのネックレスをするりと落とします。
      • 主人公の前髪はこの時点でアップサイドにまとめられています。
    • 第4連の"I hear in mind"から、曲は大きく展開します。
      • ネックレスが落ちて割れると、カラフルなパウダーがまかれます。モノトーンの部屋がガラリと変化します。
      • 同時に強いクラッシュシンバルが打たれ、その後しばらくハイハットが8分で打たれるようになります。
      • 主人公のメイクも変わります。口紅が真っ赤なものになって、心なしか眉もはっきりしているように思います。
      • 主人公の足元から、人影が立ち上がります。マネキンが実際の男性になったようです。主人公は確かめるかのように、男性のほほに手を当てます。
      • カラフルなパウダーを空にまいたり、顔に塗っあったりと、しばらく二人でキャッキャウフフします。楽しそう。
      • 最後はお互い寄り添い、手をつなぎます。これまで決して触れることができなかった手を、です。
  • こう丁寧に見ると、なんとなくわかってきます。恋人がマネキンとか透明人間とかありえないので、これは主人公の心情を映した世界ですね。マネキンの恋人は、表面上の楽しさを得られますが、そのときの心の奥底は空虚です。モノトーンなのです。ハートのネックレスは、心というより、心を守る殻とみるのが良いでしょうか。それを壊すことによって、世界がカラフルに彩られ、相手と深くつながることができたのです。最後の手を握る場面がそのメタファでしょうか。
  • Reginaさんは、Nick Hornbyの小説が原作の「High Fidelity」という映画を見ながら、この曲を作ったらしい。
    • 失恋を繰り返す音楽オタクの恋愛コメディ(?)らしい。
    • Nick Hornby、Ben Foldsのアルバム「Lonely Avenue」の歌詞担当の人だった!知らなかった。こんなところでBenちゃんと関連しているなんて…!
  • 訳する上での疑念とか。
    • いきなり"I never loved nobody fully" と難しい二重否定で困惑。続く歌詞で「片足着いている」ってことで、このような訳にしました。
    • 終盤の「break my heart」は、「心を開かせてくれた!」みたいに訳したかったが、どうにもそういう意味がないようなので自重。心を開かせるのにはopenを使うらしい。心の殻を破るならbreakでもいけるらしい。